自分が直接かかわった生徒を卒業生として送り出すのは、今年が初めて。
よく叱ったけど、素直で人なつっこい彼らのことが可愛くてたまらなかった。
ウチの生徒はどちらかというと温床育ちで、なにかあるとすぐに
「先生どうすればいいのー」
なんて頼ってくる子が多い。
でも、今後はそうもいかないね。
頼りになるのは、自分自身。
そう言い切れるようなたくましさを身につけていってほしい。
なんにせよ、彼らの目前に開けた新しい世界が、それぞれ素晴らしいものでありますように。

…そして、ここ数日多忙を極めた理由のひとつ、「送辞」について。
総務委員長K(高2・♂)で行こう、と学年会で決定されたのがちょうど一週間前。
それからホントによく頑張ったもんねえ、K。
文章考えて、何度も書き直しさせられて、それを巻紙に清書して。
昨日は下校時間ぎりぎりまで読む練習をして、今朝は7時半に登校してリハーサルした。
「オレ総務委員長だから、生徒集会とかでマイクは使い慣れてんだよね」
なんて最初は豪語していたけど、スタンドマイクで話すのが結構難しいってこと、よく判ったでしょ?(教員にだって、響きすぎず、小さすぎず、って話し方が出来ないのが多いんだから)
式の直前、私が声を掛けに行ったら、
「やべえよ、超キンチョーしてんよオレ」
なんて触らせてくれたKの脚は、ホントにがくがく震えていた。

でも、本番でKが司会から名前を呼ばれ、通路を歩いてくる姿は、そんな緊張など微塵も感じさせなかった。
目の前の教員席に座っている私からわざと視線を外し、まっすぐにマイクの前に向かったKは、ひとつ大きく息を吸い込み、堂々と送辞を読み始めた。
噛みまくって何度も練習したところも、順調にクリア。
聞きやすくて雰囲気のある、実にいい送辞だった。
Kはゆっくりと巻紙をたたみ、ポケットに収めると、落ち着いた様子で自分の席に向かって歩き始めた。
教員席の前を通り過ぎる瞬間、初めてKが私と目をあわせた。
『どうだった?』と恐る恐る伺う、不安げな目。
私は、ぐっ、と胸元で親指をちいさく立てた。
Kの表情が一瞬だけほっとしたように緩んだ。
再び口元を引き締め、自分の席へ戻ってゆくKの後ろ姿を見ていたら、なんだか鼻の奥のほうがツンと痛くなってきた。
K、頑張ったね。すごくかっこよかったよ。

そんな訳で卒業式は無事終了。
私の昼食は上州屋の紅白饅頭。
美味いんだこれがまた。

その後、2ヶ月ぶりの美容院。
カット・パーマ・カラーリングのフルコースで4時間半。
疲れた。でも満足。

…と、ここで素直に帰りたかったんだけどねえ。
今夜は内緒の夜のお仕事、「接待」にゆかねばならなかったんよ…。
場所は、隠れ家みたいなお寿司屋さん。
おっさん2人を気持ちよーく酔わせて折り詰め持たせてタクシーに放り込む。
たったこれだけのことなのに、どうしてこんなに疲れるんだろう。
いつもそうなんだけど、接待の最中は大して飲んでないし、飲んだとしてもちっとも酔えないのに、すべて片づいた後、ひとりで駅に向かっているあたりでいきなり酔いがまわってくるのね。
駅が見えると『ああ終わった、おうちに帰れる』って緊張が緩むからだろうね。
今日も改札を目の前にして、突然くらりときた。
幸い気分は悪くならなかったけれど、帰宅後、液キャベをぐいっと飲んだなりベッドへ倒れ込んだ。
こういう仕事はやっぱり精神衛生上よろしくないわね。


【本日の酒量】ビール中瓶1本、「八海山」約2合

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