1ヶ月ぶりにR先生の診察を受けた。
問診で「術後初の生理が恐ろしくなるくらいに重くてしんどかったです」と言ったのだが、「あらそうですか」と流されてしまった。
か、かまってー。

そして診察台に移って子宮鏡検査。
術後の経過を診るためのものなので、6月に受けた時とは違って録画無し。
相変わらずの流れるような施術に、今回もリラックスして受けられた。
癒着防止のために入れていたリングを外す時だけがちょっと心配だったのだが、先生が「ハイ抜きますねー」と言った直後にチクッとした程度で終わり。

カーテンを上げて「こんなのが入ってたのよ」とR先生が見せてくれたのは、5センチくらいの魚の骨格を超デフォルメして描いたような形のもの。
これをどこにどう配置したら癒着防止になるんだろうか…


身支度を整えて診察室に戻り、説明を受けた。
削りすぎたり癒着したりすると子宮底部が薄くなるので、妊娠して子宮が膨らんだ時に破裂する可能性があるらしいのだが(超怖い…)、
「僕じょうずに切ったから大丈夫よー、癒着もないしきれいに塞がってたよー」
とのこと。
あと1回生理が来たら妊娠OK、しかも自然分娩でいけるそうだ。


そして、R先生はにっこり笑って診察をこう締めくくった。



「妊娠したら僕にラブレター頂戴ね。みんな僕にくれるのよ。あなたのも楽しみにしてるよ」





目から汁が出そうになりました。

R先生、超感謝です。
「術後2回生理が来れば妊娠OK」と言われ、なんだか待ち遠しいような気持ちで日々を過ごしていた私。


到来した術後初の生理は、私の歴史を塗り替える過去最大レベルのものだった。
滝か?滝なのか?って感じ。
しかもプラノバールを7月20日~29日まで服用して、生理を8月1日か2日に来させるように調整していた筈なのに、7月28日に何故か到来。
二錠に増やしても変化なし。
プラノバール無視かーい。もったいない。
体温も下がる気配は全く無く、連日37℃近くをうろちょろ。
毎朝異様な汗とともに目覚めている。


こんなふうに普段とは明らかに具合が違うのだが、やはり手術の影響なのだろうか。
今度R先生に聞いてみよう。
6時半、看護師さんが来る。体温36.2℃、血圧108/65。なんだか眠くてぼーっとしていたら、「じゃあ採血させてくださいね~」とぶっすり一本。おかげで目が覚めました。

7時、トイレ。痛いーーーーーーーーーーーー。

8時、朝食。焼き海苔と醤油でご飯1膳。おかずは…ギブ。ここまで味の無さが徹底してると清々しささえ感じてしまう。

8時半、R先生登場。「変わりないですね~」とまたもや一瞬で消えてしまう。本当に忙しい人だ。

9時、看護師さんが「退院、でいいんですよね」と確認しに来る。何ともないから退院でいいと思うんだけど、それは私が判断するものなのか?(笑)

10時、事務員さんが請求書を届けてくれる。それを持って1Fの退院手続き窓口に行き、支払い。事前にダンナの会社を通じて高額療養費限度額適用認定証を発行してもらっていたので、自己負担分を含めても支払いは約84000円。

さて、腹の奥がどんより痛いだけなのでうっかり忘れがちだが、一応は子宮の一部をちょんぎったばかりなので、当分は傷が開かないように気をつけなければならないとのこと。
一番まずいのは腹圧をかけることで、「術後暫くは重たい物を持っちゃダメ」と事前に言われていたので、退院時の荷物持ちをおかんに頼んでいた。
未だ子離れできておらず普段から私の面倒を見たくてたまらないおかんは、ここぞとばかりに「私がやるわ!」と大フィーバー。
ベッド回りの病室の荷物をまとめ、おとんの車まで運んで積み込んでくれたのはありがたいのだが、私が手にしていた帽子まで「私が持つわ」とか言い出した時はドン引きした。
絶句してる私を見て我に返ったらしく、「そ、それはいいか」なんて口ごもってたけども。


車中でダンナ宛てに「退院したよ」とメール。
返ってきたのは「良かったね!今日はおうちでごはん食べるよ!あとビールないよ」



がくり。



元気ですよ。
歩けるし飯炊きも出来ますよ。
ビールを積み込んでくれるのは酒屋の兄ちゃんだし、買ったやつはおとんが家の中まで運んでくれますよ。

でもさあ…もうちょっとこう…労わりを前面に出していただけないもんですかね…。



とモニョりつつビールと刺身を買って帰る。










…とまあこんな感じで、実感は全く無いまま普通の子宮に改造されてまいりました。
今後は大学病院と相談しつつ妊娠にチャレンジしていくことになりそうだけど、とりあえずはのんびり回復待ちの予定。
6時、目が覚める。看護師さんが来る。体温36.2℃、血圧110/70。
血栓予防のストッキングを履かされる。太腿まででつま先に丸い穴が開いた、白いストッキング。
血栓予防っていうわりには全然締め付けられてない気がする。
下剤の座薬を入れられる。「30分くらいで出ますよ~」と言われるが、15分でギブ。

9時、ラミナリアとガーゼを抜くために、処置室に呼ばれる。R先生は既に今日1つめの手術に入ったということで、処置を任されて待機していたのは若くてやたらノリの軽い先生。
ちなみに私の苗字は非常にありふれたものなのだが、この先生、のっけから
「○○さん?いや~多いね~○○さん。っていうか日本で一番多い苗字って田中だっけ、佐藤だっけ」
と無駄口たたいてばかり。
その段階でちょっと嫌な感じはしたのだが、案の定ひどかった。
抜かれる時の痛みは昨日同様「いてて」程度だったんだけど、それ以前の問題。
器官の配置を全然わかってないっていうの?
全然違う角度で力任せにごりごり器具を入れようとするんだもん。
思わず「いてててててっっっ」って逃げたら「もっと股開いて!」とか言いやがったよ。
プロのくせに童貞以下かよこのヘタクソ!と品の無い罵りがマジで脳裏をよぎった。耐えた私偉い。
むかついたから「すっごい痛かったです」と吐き捨てて部屋に戻る。
ベッドにまるまって休憩。

10時過ぎ、おかんと義母が来る。

10時10分、看護師さん、母ズとともに手術室へ。普通に歩いて行って、手術室の手前で眼鏡をおかんに預け、「行ってきまーす」と手を振って暫しのお別れ。

手術室と言っても、自動ドアで仕切られただけでそこはまだ廊下の続き。すぐそこのベンチに腰掛けるよう指示される。
ここでハプニング発生。
ここの病院はカルテが紙媒体ではないので、看護師さんは全員PCの乗ったカートを持ってうろちょろしていて、何かあるとその場でぱぱっと入力している。
病棟から私を連れてきてくれた看護師さんも例にもれずPC持参で、手術室の看護師さんに私を引き渡すにあたって、お互いのPCの画面を並べあわせて「この人は○○さん」「これから○○の手術をします」という感じでいろいろ確認しあうはずだったらしい。
でもここで手術室のPCが突然フリーズ。
いろいろしてみたが凍りついたままちっとも動かないので、とりあえず「朝倉です」「A型です」「中隔子宮の手術です」「特に異常はないです」と基本的なところだけ自己申告させられて引継ぎ終了。いいのだろうか(笑)

手術室の看護師さんと「なんかバタバタしててごめんねー」「いえいえ、手術初めてなので物珍しくて面白いです」などと談笑しつつ、まるで中華料理屋の厨房みたいな廊下を抜けて手術室へ向かう。
「ここよ」と言われて入ろうとしたら、中から出てきた別の看護師さんが「あれ?帽子は?」と不思議そうに言う。
途端に私の隣の看護師さんが「あー忘れたー!!」
さっきの引継ぎのあたりで髪をまとめる帽子をかぶせられることになっていたらしい。
「ごめんねー、バタバタしてたから忘れちゃったー。じゃあ私達とお揃いのやつにしようか」とブルーの不織布っぽいシャワーキャップみたいなものをかぶせられた。
「本当は違うのをかぶるんですか?」と聞いてみたら「うん、患者さんはピンクのやつなの。今日は特別ね」と言われた。
手術室手前のスタッフ専用の手洗い場?付近だったようで、手近にあったスタッフ用のをかぶせられた模様。
とりあえず素直に「わーい特別だー」と喜ぶ私。

手術室に入る。結構狭い。
踏み台を二段あがって手術台に腰掛け、パジャマの上着を脱ぐ。暖められたシーツで覆われ、手術台に横たわる。薄い水色の綺麗な天井が印象的。
右手には血圧計、左手の甲に点滴の針をぶっすり。わかってるけど痛い。
口と鼻をビニールっぽい材質の半球体のカバーで覆われる。無味無臭の気体が出てきている。
「口で深呼吸してください」と言われる。吸うのはいいけど、出てくる気体が無視できない程度に勢いがあるため、吐くのにちょっと難儀だなあと思う。
同時に点滴開始。「左手がしびれますよ」と言われ、点滴の針の先からびりびりっとした結構な痛みが肘のあたりまで広がっていく。
深呼吸2回までは覚えている。

「終わりましたよ」と言われて意識が戻る。眠い。
口の中が猛烈に苦くて「苦い~」と訴えたら、「挿管してキシロカイン使ったからね」と看護婦さんが口元にティッシュをあててくれる。吐き出したら苦くなくなったが、扁桃腺が腫れている時のような違和感は残る。
台の上で右に左に転がされ、上着を着せられる。その向こうで「10時58分から18分間です」と手術時間を読みあげる声が聞こえる。たったそれだけしか経ってないのに、えらく長いこと寝ていたような気がする。
手術室前で待っていた母ズ、R先生から「上手に切除できましたよ~現物は見せてあげられませんけど~」と説明を受けたらしい。
出っ張った中隔部分をちゅいーんと削っていく感じだからかな。
筋腫だとまるっと取り出して「これです」って見せられるみたいだけども。

ストレッチャーに移され、手術室から運び出される。看護師さんが母ズに「もう起きてますよ」と言っていたので、咄嗟にVサインで応える。
「どうだった?」と問われて何故か「PCがフリーズしてカルテの確認が出来なくてバタバタしてた」と答える私。どうやら寝ぼけていた模様。
部屋に戻り、ベッドに戻され、1時間ほどうとうと。

母ズに「12時過ぎたから昼ごはん食べてくるわ」と声をかけられたのはなんとなく覚えている。

13時半頃、はっきりと目が覚める。どこも痛くないが、ベッドが硬くて狭いのと点滴と導尿が気持ち悪くて「寝心地が悪いなあ…」ともぞもぞしていたら、「起きた~?」と看護師さん登場。体温36.2℃、血圧118/70。体を拭いて着替えさせてもらう。ここで初めて自分が下半身すっぽんぽんだということに気付く。枕元を見たら、パジャマの下とショーツ、血栓防止のストッキングが綺麗に畳んで置いてあった。手術台で意識を失ってから下を脱がされたということらしい。
「導尿の管を抜いてください」と訴えると、「じゃあトイレまで歩いていこうか。下着とパジャマ履いて」と言われる。そりゃあ下半身丸出しでうろうろするわけにはいかんのだろうが、にょろにょろ管が出てるのにパンツ履けって言われても…と困る。仕方が無いので「かろうじて腰にひっかかってます状態」で対応。
トイレに腰掛け、導尿の管を抜いてもらう。
力を抜いていたが、「いーてーてーてーてー!!」と鋭い痛みが5秒間ほど続き、超涙目。
麻酔で意識が無い状態だったから気付かなかったけど、管を入れる時に中が傷ついたらしい。
看護師さん曰く「いっぱいお水を飲んで、どんどん出して、自然に治るのを待つしか…」だそうだが、とにかく染みるんだよ痛いんだよこれが。
痛みが一点に集中してる分、痛みの質が鋭いんだよね。
結果から言うと、痛みを感じなくなるまで1日半かかった。その間は本気で尿意が憎かった…。

14時、母ズを相手にベッドの上で遅い昼食。17時間ぶりの飲食。冷えたお水がとても美味しい。ごはんは三分の一くらいでパス。おいしくない…。
生理痛のような重い痛みがお腹の底にくすぶっている感じはあるが、別に寝込むほどでもないし歩けるし、結構元気。
安心したらしい母ズ、「じゃあね~」と帰宅。ちなみに母ズは朝から5時間くらい一緒にいたくせに、この後駅前の喫茶店に移動して1時間喋ってから別れたそうな。
入れ替わりにR先生登場、私の様子を見て「大丈夫ね~」と一瞬で帰っていく。忙しそうだ。

16時、点滴終了。逆流した血が管の中に残っていて、管を外した途端ぶしゅっと布団の上に血しぶきが飛ぶ(笑)
本格的に身軽になったので、トイレへ。痛い。

17時、病室を出て電話OKスペースに移動、仕事が忙しくて休みが取れなかったダンナに電話で報告。「無事終わって良かった」と安心した様子。

18時、R先生に処置室へ呼ばれる。何かと思ったら「ガーゼ抜きます」だって。入ってたのね。
抜かれる時に中くらいの痛みが2秒ほどあったが、排尿時の尿道の痛みに比べれば何ということもないわ、と思う。

「この後何もなければ明日退院していいです。シャワーは明日から、お風呂につかるのは2週間後から。来月もう1回子宮鏡検査して、大丈夫なら妊娠は生理2回来てからOK」だそうな。

R先生にお礼を言って部屋に戻ると、もう夕食が届いていた。
おかずはおいしくなかったけど全部食べた。ヤクルトを久しぶりに飲んだ。

18時半、トイレ。痛いーー。
出血を初めて確認、大変びびる。
でも『中を切ったんだから出血して当たり前だし、ガーゼを抜けばそりゃあ血は出てくるようになるわな』と一瞬で納得。びびり損。

19時、看護師さんが来る。体温36.6℃、血圧119/80。
抗生物質のパンスポリンに加え、術後の出血を抑える「リカバリン」というカプセル剤を処方される。きっとこいつらが尿道の傷をもケアしてくれるに違いない、と祈るような気持ちで服薬。

21時、トイレ。痛いよーーーーーー。

21時半、消灯。
13時半、入院手続きを済ませる。

14時、南病棟へ案内される。
整形外科と婦人科の入院患者が集められているエリアで、私は4人部屋の1007号室。
でもみんなカーテンを引いているので接触はゼロ。

14時半、看護師さんが来る。5本の採血、体調チェック。
「排ガスは?」と問われた時は何を答えて良いのか全く分からなかった。
たぶん (・・? って顔してたと思う。
「あ、おならのことね」と言い直され、思わず笑ってしまった。
大気汚染?とかディーゼル車?とかぐるぐるしちゃったよ。

この後シャワーを浴びたかったのだが、早い者勝ちでなかなか空いてくれず、部屋とシャワー室を幾度となく往復する羽目になる。

テレビと冷蔵庫と洗濯機に使える「テレビカード」を1000円で購入。
冷蔵庫は24時間で200円。
そして持参したイヤホンが短すぎて、テレビからベッドまで届かないことが判明。
半年前に切迫流産で入院していた病院では余裕で届いたのに…。
仕方なく売店でアナログイヤホン(3m)を約300円で購入するも、今度は長すぎて邪魔臭い。ムキー。


そうこうしているうちに17時半、術前処置のため処置室に呼ばれる。
明日R先生の手術を受けるのは3人で、私は2人目。
廊下のベンチに腰掛けて待っていたら、処置室からR先生登場。
「どうも~」と言いながら私の隣に座り、たった今術前処置してきた1人目のカルテを開いてなにやら書きこみ始める。
あのー丸見えなんですけどー。

着替えを終えた1人目の人と入れ替わりに処置室に入る。
例の診察台に仰向けになると、R先生が先刻の採血の結果を見ながら

「貧血気味ね~生理終わったばっかりだからかしら~。でも手術には全く関係ないからダイジョブよ~」

と相変わらずキュートな物言い。
でも手術に関係ないのに何で調べるんだろうか…と内心で突っ込む。
そんなこんなでリラックスした雰囲気のうちに術前処置。

「明日のシュジュチュをやりやすくするために、ラミナリアという細い海草の棒、1本入れますね」

明日の手術は下から子宮鏡を入れて子宮の中の中隔を切除するものなので、子宮鏡を入れて操作できるように、普段閉じている子宮口をちょっとだけこじあけておかなければならない。
だから、水分を吸って膨張するラミナリアを子宮口に差し込んで、手術に必要なスペース分だけ子宮口を開かせるということなのだ。
ラミナリアはお産の体験記なんかでよく出てくるんで知ってたけど、「入れる時痛い」っていう話もあるのでちょっと怖いなー…なんて思ってたら、「いてて」という感じでおしまい。
R先生は処置にためらいがないのでありがたい。
カーテンの向こうから漏れ聞こえる会話によると、術前処置としてラミナリアのMサイズを1本とガーゼと綿球を入れられたらしい。
身支度を整え、普通に歩いて部屋に戻る。

18時、夕食。あまりのおいしくなさにたまげる。塩分控えめとかいう次元の話じゃない、これは味がないというんだ。

18時20分、「今ならいける!!」と思いシャワー室へダッシュ。無事シャワー。部室棟のシャワーブースという感じで、そんなに綺麗ではなかった。

19時、看護師さんが抗生剤を持ってきてくれる。子宮鏡検査の時に出されたのと同じ「パンスポリン」という薬。やたらでかくてラグビーボールみたいな楕円形をしている。何故こんなに飲みづらい形状なのだろうか。

21時、看護師さんが睡眠薬を持ってきてくれる。生まれて初めての睡眠薬。まるで気絶のように寝付くのは普段同様だが、そのまま朝まで気絶状態が続く。半端じゃない熟睡っぷり。

ちなみに21時半から手術終了までは絶食絶飲だった。
いらんところをちょんぎってもらってきます。



ところで、もともとのび太ばりに寝付きが良く、「1、2、3、ぐう」どころか「1、ぐう」くらいで寝に入れる私だが、それと全身麻酔における入眠とはやはり違うものなのだろうか。

ちょー楽しみ。わくわく。


手術日が決まったので、保険会社に給付金が出るかどうか問い合わせた。

私の契約しているものはほぼ貯蓄目的の養老保険なので、医療保障はちとしょぼく、入院5日目以降に日額5000円が貰えるというものだ。
でも女性疾病特約を付けていて、該当すればさらに日額5000円がプラスされるため、結局1日あたり1万円になる。
切迫入院も対象になってたから、昨年~今年頭の流産絡みでは実は相当助かった。
合計30日近く入院してたもんなー。
30万はでかいぜ。
対象疾病に該当しちゃった後だと女性特約は付けられないってことを最近知って、
「契約時にちゃんとおかんの言うことを聞いて特約付けといてよかった」
と思ったよ。

今回は2泊3日なので入院給付金は出ないが、手術給付金がどのくらい出るのかが非常に気になり、コールセンターのお姉さんに、病院からもらってきた説明書に書かれていた「経頚管切除術(子宮鏡下)」という術式をそのまま伝えた。
すると、その術式名が保険会社の「手術給付金対象リスト」に掲載されていなかったようで、「とりあえず申請書類を出していただいて…」と言葉を濁されてしまった。
この反応だからまず出ねーなこりゃ、と一度は諦めて電話を切ったのだが、やっぱり諦めきれずにいろいろ調べてみたら、「経頚管切除術」っていうのは住所に例えると「○番地」に当たるような超細かい術式名だということがわかった。

だから、今度は住所で言うと「東京都港区赤坂○丁目」くらいまでの括りにあたる「子宮鏡下中隔切除術」で問い合わせてみた。

そしたら「『子宮中隔切除』でしたら20倍給付されます」だって。
「港区赤坂」くらいに短縮したらオッケーが出るってなんじゃそりゃ。


でも5000円×20倍=10万円!!
ちゃんと調べて良かったーーー!!




で、病院に電話して看護士さんに繋いでもらって、事情を説明。
『経頚管切除術』⊂『子宮中隔切除』ということを確認したうえで、


「同意書のコピーを保険会社に提出することになっているので、この術式の横に『子宮中隔切除』と先生に書き加えていただくことは出来ますか」

と尋ねた。


そしたら看護士、超めんどくさげに
「入院時に先生に書いてもらうことは可能ですが、同意書は同意書です。診断書じゃないです。病院の事務局から改めて書類を発行してもらってください」
だって。

こっちは先生がちょこっと書き足してくれるかどうかを確認したかっただけなのに、なんかごちゃごちゃごちゃごちゃと…。
あーうるせーなー保険会社が「診断書はいらん。同意書のコピーでいい」って言ってんだよもう!と内心で拳を握り締めるわたくし。

そのうちめんどくさくなって
「わかりました、ありがとうございました。お手数おかけしてすみませんでした、どーもー失礼しまーす」
って無理矢理会話を打ち切っちゃったさ。



ちなみに事務局に書類を作ってもらうと手数料が1000円前後もかかるうえに「郵送はしません、後日直接取りに来てください」とのこと。
私は1時間あれば来られるからまだいいけど(でもめんどくさいからやだ)、遠方の人はどうすんだろ。

なんかいろいろ融通がきかないなー、とうんざり。
お役所が運営してる病院だからしょうがないんだろーなー。




結局どうするのかって?

入院した日の診察時に先生に書き足してもらって、その足で自分で売店に行ってコピーしてくるよ勿論。
「子宮鏡を扱わせたら日本一」というR先生は、白髪交じりの髪を七三に分けた小柄な中国人のおじさんだった。


「あなたチュカクシキュね?」 訳)貴方は中隔子宮ですね
「MRI写真もてきた?ショカイジョにはいてたて?おかしね~こまるね~ナイヨ~たれか探して~。見つからないから先に内診シマスヨ」


R先生は劇団ひとり演じる中国人そのまんまの口調で喋り、なんだか少し落ち着きが無く、仕草がちょっとおばちゃんっぽい。
私がごそごそ着替えている間、カーテンの向こうで先生は看護士さんから
「もう先生!いつも探さないで『無い無い』って騒いで!MRIも卵管造影もちゃんとカルテに画像がとりこんであるじゃないですか!」
と叱られており、
「あら~ゴメンナサイね~探すの苦手なのよ~」とちょっとしょんぼり言い訳していたのが妙にかわいらしかった(笑)


そんなR先生だが、やはりスーパードクターだけあって超上手い!
最初に子宮の入り口をつまんでちょっと開いておいて、そこから点滴みたいな装置で少しずつ水を注入しながらファイバースコープを入れ、中の様子(どのへんまで中隔がでっぱってるのか)を調べるという検査なのだが、つままれている所にちょっと違和感があるだけであとは痛くも痒くもなかったし、前後の処置や他の内診も手早くスマート。
さすがは日本一だ。


検査終了後、「やぱりチュカクシキュだたね~」ということで、手術の話になった。


先生「これからシュジュチュしたっていいくらいなんだけどね~、20プンよ」
  私「え、そんなに早く終わるものなんですか」
先生「他の人だと2~3時間かかるのよ、でも僕だから20プンね」


R先生、自分の腕にかなりの自信がある模様。
でも先ほど実感させられた腕とそのキュートさで、ちっとも傲慢な感じを与えないのだ。

手術するのは生理が終わった後がいいそうで、通常は生理期間を計算して手術の日程を決めていくので早くても2ヶ月後以降になってしまうのだが、私はここ数ヶ月間、通院や検査が続く関係でプラノバールを服用して生理をコントロールしているため、「そういうわけで調整自在なのでいつでもいいです」と言うと、先生は

「それはあなたラッキーね、早くシュジュチュできますよ。今空いてて一番早い日に入れましょう」

と手術台使用日程帳をめくり始め、さっさとスケジューリング開始。



「あら7月9日空いてるね、ここシュジュチュね。8日入院、10日退院。そしで8月12日にまた子宮鏡検査ね。シュジュチュの後に2回生理来たら妊娠していいよ」



ち、ちょっと待ってー。
展開が早すぎて頭がついていかないですー。


先生は「よかたね、こんなに早くシュジュチュできるの珍しいのよ」とニコニコしながら私の肩をポンと叩き、それから突然「あなた自分の子宮見たことある?」と言い出した。
自分の体内に子宮が収まってる以上は見ようが無いんじゃなかろうか…と突っ込もうかどうしようか迷う間もなく、内診室に連れていかれ、先ほどの子宮鏡検査のビデオを見せてもらった。

冒頭は画用紙に先生が手書きした私の名前。
それからファイバースコープが入っていき、私の子宮の中が映し出されてゆく。
本来の子宮は三角フラスコ状なのだが、私の場合は内腔が中隔で仕切られているので、「洞窟を進んでゆくと二手に分かれる道が現われました」という映像になるのだ。
色合い的にはもっと「肉」って感じで、鼻毛の生えていない鼻の穴を両側映されてるみたいだったけども。


「これ内腔よ、空洞でしょ。あれ~奥にチュカクないよ~見つからないよ~、どこどこ~、って一旦戻ってきたら…ほら分かれ道有った♪右側の内腔にスコープ入れて観ちゃってたのね。だから今度は左側~。また空洞、これ左側の内腔ね~」


と先生は非常に楽しそうに解説してくれて、ビデオが終わると目をキラキラさせて「どう?面白かった?」と尋ねてきた。



やべえ。
R先生萌えだ。
「子宮鏡手術をさせたら日本一」と言われるR先生に診察してもらう価値があるかどうか見極めるため、まずは産婦人科の一般外来で初診を受けなければならなかったのだが、初診は予約が出来ず当日受付のみだと言う。
雨の中7時半に家を出て、超久しぶりの上り方面の満員電車に揺られ、9時ちょい前に辿り着いたものの、診察に呼ばれたのは11時半だった。げっそり。



担当してくれた初診担当の先生は、大学病院からの紹介状に同封された検査資料を見るなり「ああ、これはR先生の診察対象ですね」とあっさりゴーサイン。
今空いていて一番早い予約日時を、とお願いしたら、5週間後になった。


で、その先生がおぎやはぎの小木にちょっと似ていて、喋りもなんだか独特の言い回しで非常に面白く、待たされまくった疲れがふっとんだ。



「せっかく来てもらったから診察したいんだけど…大学病院で検査しつくしちゃってるんだよねえ。僕は今回だけしかあなたを担当しない立場だし、あなたも脱いだり寝たり気持ち悪い思いしたりまた着たりするのめんどくさいし嫌でしょ?」


「あ、今年子宮ガン検診は?受けてないって?じゃあその名目で診察できるね。名目って言ってもちゃんとガン検診もやるから安心して!」


「(モニターを見ながら)ああ、これは典型的なブタの鼻だね…あ、中隔子宮のことを下品に言うとこうなの。子宮の中が二つに分かれてるから、超音波で輪切りにして見ると、円形の子宮の輪郭の中に二つ円が並んで見えるでしょ。ほらブタの鼻」


「ガン検診、本当は1箇所でいいんだけど、あなたは分かれてる両側をやっておきますね。って言っても結構難しいなー…真っ直ぐ行って下行って左行ってちょいっと(実況)」


「たぶん手術になると思いますよ。でも予約が詰まってるから、夏くらいになるかもねえ…え?スケジュールが合えばここじゃなくて大学病院でR先生に手術やってもらいたいって教授が言ってたって?無理無理、R先生、そんなに暇じゃないですから。もー大学教授みたいに偉くなっちゃうと仕事しないで暇なもんだからすぐそういうこと言い出すんだよなー、困っちゃうよホントにもう」



…なんだか楽しく通えそうな気がしてきた。
約2ヶ月間にわたる検査が終わり、いよいよ今後の治療方針を言い渡される日がやってきた。

いつもの頼りない担当医ではなく、偉~い教授がご登場。


「MRIであなたの子宮を見てみたら、中は結構な度合いで分かれてて、外側は正常な形をしてました。中隔子宮ですね。あなたの希望どおり、子宮形成手術の方向で考えましょう」


おおおおお。よかった。
先日の診察で『双角子宮かもしれない、もしそうなら手術できないから妊娠にトライし続けるしかない』って言われてから、いろんなことをぐるぐるぐるぐる考えちゃってたので、希望どおり手術できるとなって、まずは一安心。



「で、手術の方法としては子宮鏡で中を見ながら中隔を切除することになるんだけど、あなたの場合はこの病院じゃ出来ないので、川崎の病院の専門の先生を紹介します」



…はい?



「R先生っていったら、子宮鏡手術を日本で一番やってる先生だよ。いい先生だよ~。日本中からあなたみたいな患者さんが集まってくるんだよね。だからひょっとしたら3ヶ月くらい先まで埋まってるかもしれないけど…あ、でもこの間その先生に『ちょっとうちでも手術してよ~』って頼んでみたから、先生のスケジュール調整がうまくいけば治療も早めに進むし、手術もここの病院でやってもらえるかもよ」


え、ええと。
私は大学病院から紹介状を出されることになっちゃったわけですね。
そんでもって、ここの大学病院の研究症例(?)にされちゃうかもってことですね。
想像の斜め上をゆく展開だわ。




帰宅後、紹介された病院に電話してみたら、「紹介状があっても初回は一般外来で」と言われた。
なんのこっちゃと思ったのだが、HPを見たら『R先生ご指名の患者が多すぎて大変なことになっているので、一般外来で初診して、R先生しか診られない患者だけに絞りこみます』みたいなことが載っていた。


「切ればいいんでしょ」みたいに簡単に考えていたけど、なんだか大変なことになってきましたよ。
待合室に流れるビデオでは「磁力を使った検査で痛みは伴いません」と言っていたくせに、いざ検査室に入ったら

「動きに弱い検査ですので、腸の動きを止める筋肉注射を打ちますね~」

とぶっすり一発。めっちゃ痛いし。


さらに「呼吸の時にお腹があまり動かないように」と座布団型の重りを腹の上にどさっと乗せられて、検査時の騒音対策のヘッドホンを付けられ、身動きひとつ取れないような狭いドームの中に入れられる。

ドカドカドカドカ、ガンガンガンガン、ビービービービー。
まるで工事現場のど真ん中にある土管の中に閉じ込められて放置されている感じ。

でも、『うるさいよー重たいよー』と思っていたのは最初のうちだけ。
薄暗いし、目の前の天井しか見えないから退屈だし、下腹部に乗せられた重りがまるで重たい布団みたいでじんわり暖かいし、ガンガンいう音もリズムが一定だし、もう「寝てください」と言わんばかりの状況で、何度もうとうとしてはハッ!!と目覚めるの繰り返し。

30分間の検査が終わり、台を降りながら欠伸をかみ殺していたのを検査技師のお姉さんに見られ、クスッと笑われた。



初めてのMRI検査の感想。

とにかく眠かった(笑)
前回の診察で「次回は高温期の検査をしましょう」と言われ、何も考えずに「ハイ」と返事をして帰ってきたのだが、いつまで経っても高温期に入る気配が無い。
とりあえず診察予約を1週間後にずらしてみたものの、それでも地を這う基礎体温。
困るなーどうなってるんだろうなー、と首を傾げていたのだが、ふと閃いた。

そもそも私は無排卵。
クロミッド等の処方が無ければ永遠に低温期のままだ。
今周期はあらかじめ薬を飲んでいないから、どんなに待っても高温期なんか来るはずがないのだ。

妊娠やら流産やらで約半年間生理から遠ざかっていて、基礎体温を気にする必要がなかったから、自分の体質をすっかり忘れてたよ。
こうなると次の生理がいつ来るか判らないし、来たらすぐ薬を飲まないとまた排卵しそこねて高温期検査がお流れになってしまう。
2ヶ月連続で時間を無駄にするのはイヤー!と慌てて病院に行った。

先生に事情を話すと、「ああー!そうでしたねー!」と全く気付いていなかった模様。
この高温期検査が終わったらカンファレンスを開いて教授に治療方針を決めてもらうことになっていたらしく、予定が狂って先生は困った様子。
でもたまたま隣の診察室に教授が居たので、直接指示を仰ぎに行って、戻ってきたと思ったら


「高温期検査はいつでも出来るんで、またそのうちやりましょう」


ってそんな適当な(笑)
今のところ血液検査の結果がオールクリアだから免疫関係が原因の不妊・不育じゃないことがほぼ確定してるし、やっぱり子宮奇形が問題の中心みたいなので、そっちの方の検査を先に詳しく進めていこう、ということになったらしい。



で、次回はMRI検査。
これで私の子宮が双角子宮なのか中隔子宮なのか、その度合いがどの程度のものなのかを詳しく調べるそうな。

その結果をもとに、今後の方針が決まる。
今の担当の先生は
「子宮にメスを入れるにはそれなりにリスクがあるわけだし、それで100%妊娠できるってわけじゃないし」
と手術にはあんまり乗り気じゃなく、できれば現状維持で妊娠にトライし続ける方がいいと考えている様子。

「前回の妊娠時は出血しまくりで入退院の繰り返しだったんですが、現状維持となると、今後も妊娠する度にそうなるっていうことですよね」

と聞いたら、たぶんそうなる、とはっきり言われたので、

「そうなるのを避けるために、ここを紹介していただいたんです。切ればいいってもんじゃないのは判りますが、切れるものなら切ってほしいです。リスクは承知のうえです。積極的に手術を考えたいです」

とガンガン自己主張しておいた。
私はリスク回避よりも妊娠継続の可能性を上げる方を重要視したいんだよー。


この先生、カンファレンスで私の考えをちゃんと伝えてくれるのかなあ。
先週の卵管造影の結果を聞きに行った。

本来子宮の内部は逆三角形のようになっているのだが、レントゲン写真を見ると、私の子宮内部は双葉のような形でくっきり分かれていた。
でも卵管は詰まっていなかったし、今後の検査で分かってくる他の条件もおそらく問題ないだろうとのこと。
やはり子宮奇形が問題の中心らしい。

で、その子宮奇形なのだが、私はひょっとしたら中隔子宮ではなくて、双角子宮かもしれない、と言われた。
その場合は、手術はせずに妊娠にトライしていくことになるとのこと。


うーん。
単純に「手術したらどうにかなる」って思ってたから、ちょっとショック。
もし双角子宮なら、「妊娠はできるが継続が難しい」っていうこの体質との訣別は無理で、妊娠するたびに出血の嵐に怯えつつの寝たきり&入退院が待ってるってわけね。
け、結構なハードルだわ。
おかんへの道はかなり険しそうじゃ。



ところで、その「双角子宮」っていうのは中隔子宮とどう違うのか、と疑問に思ったので、いろいろ調べてみた。

大雑把にまとめると、

 中隔子宮=子宮の形は正常だが、内腔が血流の殆ど無い中隔で二分されている
 双角子宮=子宮底部がハートの上部のようにくぼんでいて、内腔がウサギの耳みたいに
         分かれている

こんな感じ。
子宮の外見がちょっと違うだけかと思ってたらそうでもなくて、中隔子宮と双角子宮とでは、どうやら内腔の分かれ方に大きな違いがあるらしい。
卵管造影画像を検索しまくって違いを自分なりに見つけようとしたんだが、素人の私には全く見分けがつかなかった…。
先生には「双角は二つ子宮があるようなもので…」と説明されたので、そこから考えると、分断している壁の部分の性質が違うんだろうか。
中隔の場合は壁の部分に血流が無いけど、双角の場合は子宮の外壁みたいなものだからちゃんと血流があるとか。
それなら、流産率が中隔子宮>双角子宮ってこともなんとなく理解できるんだけども。

ああモヤモヤするわ。
次回きっちり説明してもらってこようっと。
四捨五入したら40歳。うへー。

ダンナからのプレゼントはおさんどんからの解放。
昨夜「明日飲み会あるんだって。『かみさんの誕生日だから行けないかも』って言っといたんだけどさー」なんて言いながら私の顔色を伺っていたので、これ幸いと「どうぞどうぞ」と参加を促してやった。
メシの心配をしないで済むというのは主婦にとっては何よりの贅沢なのだよ。

だから、今日は自分の好きなものを買ってきて16時くらいからダラダラ飲むんだ~、と朝からウキウキしていた。

昼前に家を出て、昨日の検査の続きをしに大学病院へゴー。
レントゲンを撮って、昨日の造影剤がちゃんとお腹の中に散ってるかどうかを確かめるとのこと。
子宮やら卵管やらに造影剤が残っていたら、それは卵管が詰まってる証拠なんだって。
そんなわけで、今日は撮影室に入って、パシャリと1枚撮って、それでおしまい。
往復2時間、検査所要時間1分。なんだかなー。

それからマルイに寄って、ぱすたかんで遅めの昼食。
窓際の席で、景色を眺めつつ一人お好み焼き&ビール。
いやー昼酒は美味いね!!

その後地下に降り、えぼしで金目鯛の握り・海老しんじょと野菜の煮物・さつまあげを購入。
バースデーケーキを週末にダンナに買ってもらう予定なので、いろいろ下見して回っていたら、頭の中がすっかり甘い物モードに。
今日はあほのように酒を飲むのだ!甘い物はいかん!と必死で自分に言い聞かせ、店を後にした。
誘惑に打ち勝った私エラい。


帰宅して、この日記を書いて、今ちょうど16時。
キンキンに冷えたビールを開けるお時間がやってまいりました。
日本酒もスタンバイ中。
さあ飲むぜ。
予め先生から「痛い」って言われてるから、昨夜からもうびびりっぱなし。


この検査は、ヨード造影剤を子宮内に注入してレントゲンで撮影することで、子宮内腔の状態と卵管の通過性を調べるもの。
ネットで調べてみると、「造影剤を入れる時が痛い」という声が圧倒的多数。
卵管が詰まっていた場合、造影剤を入れることでその詰まりがとれるというので、たぶんその時の痛みなのだろう。
私の卵管が詰まっていなければ、きっと大して辛くもないはず。
だから出がけに娘の遺骨に手を合わせて「造影剤がスムーズに流れるようにかあちゃんを守ってくれ!!」とマジ祈り。
『そんなこと言われても困るでちゅ』って感じだよな(笑)


そんな感じでびくびくしながらいざ検査。
ブラ・キャミ・靴下OK、だけど下半身はすっぽんぽんという間抜けな格好をガウンで隠し、無駄にだだっぴろい画像検査室へ。
ベッドに横になり、足をかけて握り棒を握るというまるで出産スタイルで待機していると、頭上にセットされた一抱えほどもあるカメラがういーんと動き、足元にある大きな画面に突然私の骨盤の映像が映し出された。
なんだか面白くて少し緊張がほぐれる。
すると「婦人科の○○です」と若い女医さんが現われ、検査スタート。

まずはイソジンで子宮の中を消毒。
これは何度も経験してるから楽勝。
妊娠中に出血が続いていて、診察のたびにイソジンでばしゃばしゃやられてたからね。

次は、造影剤を入れる準備。
看護師さんに「子宮の入り口に器械を取り付けます。これが一番痛いですよ」と言われて「なんだそりゃ」と動揺。
何かと思ったら「造影剤を入れるために、子宮の入り口を2箇所つまんで広げるの。だから2回痛いです」って。
芸人がやる「乳首に洗濯バサミ」をつい想像し、うへー、となっていたら、つままれている部分は違和感程度。
辛いのは、つまんだ時に子宮全体が下に向かってぐいーっとひっぱられることだった。
器械の先っぽに10キロくらいの重りがついてるんじゃねーのと疑いたくなるような感じ。
『いてててー子宮がもげるー』って内心大暴れだった。
しかも取り付けに失敗して「やり直しますね」って言われて、結局4回痛かったよ。しくしく。

で、取り付け終了後は造影剤を注入し、撮影。
造影剤が充満したあたりのほんの十秒間程度、重い生理痛みたいな鈍い痛みを感じたが、それっきり。
どうやら卵管は詰まっていなかった模様。でかしたぞ娘。
足元のモニターで、私の骨盤の上にじわーっと黒い染みみたいなものが広がっていく様子を確認。
レントゲンを撮ったのは造影剤が流れていく途中で2枚、流れきったところで1枚。
注入→撮影はほんの2分くらいしかかからなかった。あっけない感じ。


ベッドを下げられ、器械を外されて(この時は痛くなかった)、イソジンを再びばしゃばしゃされて、今日の検査は終了。
「明日はレントゲン撮影のみですから痛くないですよ」と看護師さんに言われて安堵。



予想していたところで痛みを感じずに済んだのは良かったけど、しかし検査の準備段階が一番しんどいとは思わなんだ。
内臓をひっぱられるのはもう勘弁してほしいなー。
8時半、子宮の超音波映像を撮るために検査室へ行く。
膀胱がある程度膨れていないと子宮が映らないらしく、あらかじめ「尿を溜めてきてください」と指示されていた。
だから朝6時に1度トイレに行き、その後コーヒーをマグカップで2杯飲んだ状態で検査に臨んだのだが、検査師さんに「あらーまだ4割ってところねー、7割超えるくらい欲しいなー」と追い出されてしまった。
うーん今でもトイレ行きたい感じなんだけどなー、と思いつつロビーの自販機でペットボトルのポカリを購入、ガッと飲み干し、30分ほど時間を潰して膀胱に水分が溜まるのを待ってから、再び検査室へ向かった。
今度はうまく映ったようで、10分ほどで検査は終わったが、尿意マックス状態の時に腹にぐりぐりカメラを押し当てられ続けるのって結構辛かったよ。
「あーもう無理無理無理無理」って頭の中で叫んでたさ(笑)


次は家族計画科へ。
9時に予約していたのだが、検査が長引いてしまって1時間遅れの受付。
相当待たされるかなあと思ったら、すぐに呼ばれてびっくり。
「婦人科」「産科」とは別なので、あんまり受診する人がいないらしく、先生を待たせてしまったようだ。
出てきたのは若い女医さんで、超音波検査の結果は「中隔子宮の疑い」だそうな。


「入り口は一つだけど、子宮底部から壁があって中は二つに分かれてるのが確認できた。でもまだ流産1回目だし、手術せずに様子を見ながら妊娠を考えてもいい」


こんなような説明をされて、軽くイラッとする。
『まだ流産1回目』という考え方もあるだろうけど、こっちとしては『二度とごめんだ』と感じてるんだよなあ。
そもそもここに来てるのは「手術が出来るから」なんだが。


だから、単刀直入に

「でも現実に中隔子宮が及ぼす悪影響を受けて私は妊娠継続できなかったんだし、歳も歳だから、さっさと手術して、早いうちに妊娠の可能性を出来るだけ高めたい」

と告げた。


そしたら先生は「あ、そうなんですか?」と拍子抜けしたような表情になり、

「じゃあどんどん検査を進めます。手術の方向っていうことで、カンファレンスで他の先生たちとも相談しますね」

と3回分の検査・診療予約を入れてくれた。


この豹変っぷりは一体何なんだろう、と疑問に思ったのだが、帰宅後ダンナに話すと、「そんなのあたりまえじゃん」とあっさり説明してくれた。


「医者なら悪い所は根本的に治したいと思うんだろうけど、患者は切られたり縫われたりすることに怯えるわけじゃん。そういう患者をなだめすかしたり一生懸命説得したりするのって大変だろうし、そもそも手術する必要がない症状なのに『手術しましょう』なんて簡単に言い出せないよ。だから、逆に患者が積極的に手術したがってるんなら、医者にとっては話は早いってことなんじゃないの」


うーむ。そういうことなのだろうか。
確かに、妊娠を考える前は子宮奇形で困ったことなんて一度も無かったし、それが何かの病気の元になるわけでもなさそうだしなあ。

ま、結果的にはこっちの気持ちどおりどんどん進めてもらえるようになったんだし、良しとするか。



で、次回は4月頭。
いよいよ卵管造影検査じゃー。

これは下から造影剤を入れてレントゲンを撮るもので、子宮の状態をはっきり見るための検査。
あちこちで「造影剤を入れるのがものすごく痛かった」という感想を目にする。
何だかんだあって私はこの検査を一度も受けることなくここまで来ている。
ここ半年ほどでそれなりに痛い経験をしたので、以前ほど恐れずに受けられるような気がしていたのだが、先生に
「卵管造影もいろいろやり方があって、今回は本格的な検査法でやるので、二日に分けてやります」
「結構痛いので頑張ってください」
って目を見てきっぱり言われてしまったので、現在恐怖のズンドコです。
初めての大学病院受診。
紹介してもらったI先生はこの病院の産婦人科のトップであるようで(HPの「医師紹介」にも「教授紹介」にも一番最初に載っていた)、「治療方針を決める」「執刀する」のがお仕事。
今日は初診なので、持参した紹介状と資料を見ながらの状況説明が中心。

目からウロコだったのは「あなたは不妊症じゃなくて、不育症です」という言葉。
薬を飲んだら排卵するんだし、しかも妊娠できてるんだから、不妊とは言えないんだと。
一般的な産婦人科・不妊クリニックと定義が違うのが面白い。

で、「不育症」っていうのは、流産を3回以上繰り返す症状や、一度でも16w以降で流産・死産したことがあるという状況を言うそうだ。
この原因を特定するにはかなり突っ込んだ検査や分析が必要で、当分は「家族計画科」っていうところで細々とした検査をして、データがひととおり出揃った段階で、改めてI先生とじっくり話し合い、治療方針を決めていくとのこと。
その際、こちら側にきちんとした知識がないとせっかくの話し合いも潤滑に進まないので、病院主催の「家族計画学級」を夫婦揃って受講するように言われる。
おおー。
「何されてるかわからん」という不安を取り除くのと同時に、知識や情報をダンナと共有できるようにしてくれるってわけね。
早速予約。

「採血してからお帰りください」と指示され、向かった採血室で「さすがは大学病院」と感心。
まるで銀行の窓口みたいにずらりとブースが並び、殆ど待たせない。
そして上手い。
今まで数多の看護士を泣かせてきたわたくしの肉付きのよい腕と細すぎる血管に、全く迷いのない手つきでぷすりと一発、見事ビンゴ。
でも試験管6本分も採られた。
4本目くらいから試験管を取り替えられる度に『ってまだ採るんかい』って内心でツッコんでたよ。


再来週から約1ヶ月間の検査祭りが始まる。
が、頑張るからあんまり痛くしないでね(笑)

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