ようやく衣替え。
2001年10月18日私は不精者なので片づけがへたくそである。
洗濯済みの服をハンガーごとおかんから受け取り、自室に持ってくるのはいいが、それをクローゼットに仕舞うには、まずクローゼットを塞いでいる本の山々をどかさなくてはならない。
それがめんどくさいのである。
だから、その服はとりあえず部屋の隅のフックにひっかけておく。
翌日、またおかんから洗濯済みの服を受け取る。
本の山をどかすのはめんどくさいので、本棚の角とかカーテンレールとか、どこか適当にひっかけられるところを探す。
…これを数日繰り返すと、服を引っかける場所がなくなってくる。
そこで部屋の隅のフックに再び注目。
既に初日の服がぶらさがっているが、そんなことは気にしない。
上に重ねてひっかけてしまえばいいのである。
針金ハンガーなら4つくらいは重ねてひっかけられる。
ハンガーの三角形の底辺部分に、また新しいハンガーをひっかけるというテクも駆使すれば、クローゼットなんて無くても全然支障は無い。
こんな調子でのらりくらりと過ごしてきたが、さすがに出ているものだけでまかなえなくなってきた。
朝晩が寒いのである。
コートを出さなければ風邪をひきそうだ。
…ひょっとしたら、私が仕事に行っている間に、おかんという名のこびとさんが衣替えをしておいてくれるんじゃないか、と淡い期待をずっと抱いていたのだが、いくら待っても不精者のもとにこびとさんはやってこなかった。
仕方がないので、日が暮れてからしぶしぶと衣替えにとっかかった。
まずは、部屋中にぶら下がった衣類とハンガーを片付けることから始める。
小一時間ほどかかって全てを撤収してみて、私は驚いた。
白い壁にハンガーの跡が、それはもう見事に黒くくっきりと、まるで影のように残っていたのである。
日に焼けたのかタバコのヤニか。
どっちにしても、普通のお嬢さんのお部屋には滅多に見られないシロモノだろう。
私はしばらくそれを眺めていたが、見ていてあまり気持ちの良いものではないので、衣替え終了後、出してきたコート類をフックやら本棚の角やらに再びひっかけ、ハンガーの跡を隠すことにした。
本の山も、衣替えの最中にちょっと移動させただけなので、部屋の床を塞いでいることに変わりはない。
衣替え直後だというのに、相変わらず雑多な私の部屋を見て、おかんが言った。
「あんた散らかすことに関しては天才的ね」
褒められてるんだかけなされてるんだか判らず、気の利いたコメントが返せなかったのが悔しい。
洗濯済みの服をハンガーごとおかんから受け取り、自室に持ってくるのはいいが、それをクローゼットに仕舞うには、まずクローゼットを塞いでいる本の山々をどかさなくてはならない。
それがめんどくさいのである。
だから、その服はとりあえず部屋の隅のフックにひっかけておく。
翌日、またおかんから洗濯済みの服を受け取る。
本の山をどかすのはめんどくさいので、本棚の角とかカーテンレールとか、どこか適当にひっかけられるところを探す。
…これを数日繰り返すと、服を引っかける場所がなくなってくる。
そこで部屋の隅のフックに再び注目。
既に初日の服がぶらさがっているが、そんなことは気にしない。
上に重ねてひっかけてしまえばいいのである。
針金ハンガーなら4つくらいは重ねてひっかけられる。
ハンガーの三角形の底辺部分に、また新しいハンガーをひっかけるというテクも駆使すれば、クローゼットなんて無くても全然支障は無い。
こんな調子でのらりくらりと過ごしてきたが、さすがに出ているものだけでまかなえなくなってきた。
朝晩が寒いのである。
コートを出さなければ風邪をひきそうだ。
…ひょっとしたら、私が仕事に行っている間に、おかんという名のこびとさんが衣替えをしておいてくれるんじゃないか、と淡い期待をずっと抱いていたのだが、いくら待っても不精者のもとにこびとさんはやってこなかった。
仕方がないので、日が暮れてからしぶしぶと衣替えにとっかかった。
まずは、部屋中にぶら下がった衣類とハンガーを片付けることから始める。
小一時間ほどかかって全てを撤収してみて、私は驚いた。
白い壁にハンガーの跡が、それはもう見事に黒くくっきりと、まるで影のように残っていたのである。
日に焼けたのかタバコのヤニか。
どっちにしても、普通のお嬢さんのお部屋には滅多に見られないシロモノだろう。
私はしばらくそれを眺めていたが、見ていてあまり気持ちの良いものではないので、衣替え終了後、出してきたコート類をフックやら本棚の角やらに再びひっかけ、ハンガーの跡を隠すことにした。
本の山も、衣替えの最中にちょっと移動させただけなので、部屋の床を塞いでいることに変わりはない。
衣替え直後だというのに、相変わらず雑多な私の部屋を見て、おかんが言った。
「あんた散らかすことに関しては天才的ね」
褒められてるんだかけなされてるんだか判らず、気の利いたコメントが返せなかったのが悔しい。
コメント