力の限り遊んだ。
めちゃくちゃ楽しかった。

でも、それ以上に強烈な思い出となる出来事があった。


朝食前に温泉に入りたかったので、7時に起きた。
H(29・家庭科)は2階の大浴場で頭を洗いたいというので、私だけ7階の展望露天風呂に向かった。

脱衣所を見回すと、どうやら先客は1人だけのようである。
のんびり入れそうだな、と思いながら浴衣を脱ぎ、露天風呂入り口のガラスの扉を開けた。
先客は、私に背中を向けた格好でお風呂につかっており、悠々と脚を伸ばして海を眺めていた。
その背後に置いてある桶に手を伸ばした時、私は目を疑った。

その人の脚の付け根に、あるはずのないものがぶらさがっていたのだ。

数秒間凍り付いた後、私は桶を放り出し、風呂場を飛び出た。
素っ裸で脱衣所の入り口まで走り、赤い暖簾の真ん中に染め抜かれた『女湯』という大きな文字を、しっかりと確認する。

『私が正しいんだよな?!奴が間違ってるんだよな?!』

彼が眺望に気をとられていたせいで、私の玉の肌を見られずに済んだのは、ある意味救いである。
しかし、今この瞬間に彼に上がってこられると、非常に困ったことになる。
かと言って、着替えた後に再び扉を開けて
「すいません、ここ女湯なんで隣りに移動してもらえませんか」
なんて言うのも気まずい。
とりあえず逃げるが勝ちだ。
私は大急ぎで浴衣を羽織り、2階の大浴場に走った。
そして、のんびりと浴槽につかっていたHを捕まえて、一連の衝撃の出来事を話した。
まかり間違えば「土肥湯煙殺人事件・女教師に一体何が?!」なんてことになったかもしれないのに、Hはひたすらゲラゲラ笑っていた。
この薄情者め。
あげくの果てに、Hは突然真面目な顔でこう言った。

H「…で、その人かっこよかった?」


私はブツしか拝んでいないので、その問いには答えることが出来なかった。
しかし、ここで私が「めちゃくちゃいい男だった」と答えたら、Hはそそくさと露天風呂に向かう気だったのだろうか。

私なら、いくらいい男でも、男湯と女湯を間違えるようなお間抜け君は願い下げだ。


【本日の酒量】瓶ビール2本

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