「せんせー男子が歌いません!!」ってもめてみたかったんだけどな(笑)。
2003年1月17日来週の火曜は合唱コンクールである。
学校全体が歌一色になり、練習も今が佳境といった雰囲気なのだが、うちのクラスは何故かいつまでたっても「必死さ」が出てこない。
始めのうちは「絶対優勝するぞ」と意気込んでいたのだが、この時期になって、目的や目標が一体なんなのかを忘れてしまったらしく、練習の最中に
「ねえ何時までやるの」
「早く帰ろうよ」
と言ってきたりするようになってしまった。
しかし今日、うちのクラスは大きな転換期を迎えた。
模範テープと生徒達の合唱を聞き比べて、
「さあ、どこをどう改善するべきか?」
と問うたところ、彼らはふざけ半分で
「自分達がこんな上手く歌えるわけがない」
と答えたのだ。
それを聞いて、私はちょっと悲しくなった。
だから、ひとりひとりの顔を見渡しながら、
『あんた達からは自分達で動こうとする気持ちが伝わってこない。
何の為の練習なのか、あんた達自身が今何をやりたいのか、
一晩じっくり考えて来い』
というようなことを話し、今日の練習を打ちきった。
生徒達は、黙って教室を出て行った。
誰も居なくなった教室を掃除しながら、私はいろいろなことを考えた。
私は今までずっと高校生の担当だった。
彼らは学校生活に関してある程度要領を得ているし、クラスの中には必ず「人を動かすことが上手い奴」が居るものだから、こちらがいちいち細かく指示を出さずともなんとかなっていた。
そういった感覚をひきずったまま中1に降りてきたので、私には、中1のやること為すことがものすごく焦れったく思え、彼らを必要以上に幼いものとして扱っていたようだ。
結果として、私は自分のクラスの面倒を見すぎていた。
「率先して計画を立て、つきっきりで練習を見る」という行動は、一見とても熱心ではあるが、実のところは、生徒達の中に芽生えかけたリーダーシップを、担任自ら潰してまわっているということにほかならないのだ。
いつの間にか外は真っ暗になっていた。
今日はもう帰ろう、と思いながらゴミ袋をぶらさげて教室を出たその時、廊下の奥の吹き抜けのあたりから聞き慣れたメロディが響いてきた。
ドアの陰から覗いてみると、さっき帰した筈の生徒達ほぼ全員がそこに居た。
何度言っても直らなかった息の使い方も、歌い出しのばらけも、信じられないくらい上手くなっていた。
私は、その場をそっと離れた。
みんなが大好きだからこそ何でもやってあげたかったのだけれど、やはりそれはみんなのためにはならなかったのだ。
とても淋しいけれど、そろそろお互いに距離を置くことが必要なのかもしれない。
学校全体が歌一色になり、練習も今が佳境といった雰囲気なのだが、うちのクラスは何故かいつまでたっても「必死さ」が出てこない。
始めのうちは「絶対優勝するぞ」と意気込んでいたのだが、この時期になって、目的や目標が一体なんなのかを忘れてしまったらしく、練習の最中に
「ねえ何時までやるの」
「早く帰ろうよ」
と言ってきたりするようになってしまった。
しかし今日、うちのクラスは大きな転換期を迎えた。
模範テープと生徒達の合唱を聞き比べて、
「さあ、どこをどう改善するべきか?」
と問うたところ、彼らはふざけ半分で
「自分達がこんな上手く歌えるわけがない」
と答えたのだ。
それを聞いて、私はちょっと悲しくなった。
だから、ひとりひとりの顔を見渡しながら、
『あんた達からは自分達で動こうとする気持ちが伝わってこない。
何の為の練習なのか、あんた達自身が今何をやりたいのか、
一晩じっくり考えて来い』
というようなことを話し、今日の練習を打ちきった。
生徒達は、黙って教室を出て行った。
誰も居なくなった教室を掃除しながら、私はいろいろなことを考えた。
私は今までずっと高校生の担当だった。
彼らは学校生活に関してある程度要領を得ているし、クラスの中には必ず「人を動かすことが上手い奴」が居るものだから、こちらがいちいち細かく指示を出さずともなんとかなっていた。
そういった感覚をひきずったまま中1に降りてきたので、私には、中1のやること為すことがものすごく焦れったく思え、彼らを必要以上に幼いものとして扱っていたようだ。
結果として、私は自分のクラスの面倒を見すぎていた。
「率先して計画を立て、つきっきりで練習を見る」という行動は、一見とても熱心ではあるが、実のところは、生徒達の中に芽生えかけたリーダーシップを、担任自ら潰してまわっているということにほかならないのだ。
いつの間にか外は真っ暗になっていた。
今日はもう帰ろう、と思いながらゴミ袋をぶらさげて教室を出たその時、廊下の奥の吹き抜けのあたりから聞き慣れたメロディが響いてきた。
ドアの陰から覗いてみると、さっき帰した筈の生徒達ほぼ全員がそこに居た。
何度言っても直らなかった息の使い方も、歌い出しのばらけも、信じられないくらい上手くなっていた。
私は、その場をそっと離れた。
みんなが大好きだからこそ何でもやってあげたかったのだけれど、やはりそれはみんなのためにはならなかったのだ。
とても淋しいけれど、そろそろお互いに距離を置くことが必要なのかもしれない。
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