6時、目が覚める。看護師さんが来る。体温36.2℃、血圧110/70。
血栓予防のストッキングを履かされる。太腿まででつま先に丸い穴が開いた、白いストッキング。
血栓予防っていうわりには全然締め付けられてない気がする。
下剤の座薬を入れられる。「30分くらいで出ますよ~」と言われるが、15分でギブ。

9時、ラミナリアとガーゼを抜くために、処置室に呼ばれる。R先生は既に今日1つめの手術に入ったということで、処置を任されて待機していたのは若くてやたらノリの軽い先生。
ちなみに私の苗字は非常にありふれたものなのだが、この先生、のっけから
「○○さん?いや~多いね~○○さん。っていうか日本で一番多い苗字って田中だっけ、佐藤だっけ」
と無駄口たたいてばかり。
その段階でちょっと嫌な感じはしたのだが、案の定ひどかった。
抜かれる時の痛みは昨日同様「いてて」程度だったんだけど、それ以前の問題。
器官の配置を全然わかってないっていうの?
全然違う角度で力任せにごりごり器具を入れようとするんだもん。
思わず「いてててててっっっ」って逃げたら「もっと股開いて!」とか言いやがったよ。
プロのくせに童貞以下かよこのヘタクソ!と品の無い罵りがマジで脳裏をよぎった。耐えた私偉い。
むかついたから「すっごい痛かったです」と吐き捨てて部屋に戻る。
ベッドにまるまって休憩。

10時過ぎ、おかんと義母が来る。

10時10分、看護師さん、母ズとともに手術室へ。普通に歩いて行って、手術室の手前で眼鏡をおかんに預け、「行ってきまーす」と手を振って暫しのお別れ。

手術室と言っても、自動ドアで仕切られただけでそこはまだ廊下の続き。すぐそこのベンチに腰掛けるよう指示される。
ここでハプニング発生。
ここの病院はカルテが紙媒体ではないので、看護師さんは全員PCの乗ったカートを持ってうろちょろしていて、何かあるとその場でぱぱっと入力している。
病棟から私を連れてきてくれた看護師さんも例にもれずPC持参で、手術室の看護師さんに私を引き渡すにあたって、お互いのPCの画面を並べあわせて「この人は○○さん」「これから○○の手術をします」という感じでいろいろ確認しあうはずだったらしい。
でもここで手術室のPCが突然フリーズ。
いろいろしてみたが凍りついたままちっとも動かないので、とりあえず「朝倉です」「A型です」「中隔子宮の手術です」「特に異常はないです」と基本的なところだけ自己申告させられて引継ぎ終了。いいのだろうか(笑)

手術室の看護師さんと「なんかバタバタしててごめんねー」「いえいえ、手術初めてなので物珍しくて面白いです」などと談笑しつつ、まるで中華料理屋の厨房みたいな廊下を抜けて手術室へ向かう。
「ここよ」と言われて入ろうとしたら、中から出てきた別の看護師さんが「あれ?帽子は?」と不思議そうに言う。
途端に私の隣の看護師さんが「あー忘れたー!!」
さっきの引継ぎのあたりで髪をまとめる帽子をかぶせられることになっていたらしい。
「ごめんねー、バタバタしてたから忘れちゃったー。じゃあ私達とお揃いのやつにしようか」とブルーの不織布っぽいシャワーキャップみたいなものをかぶせられた。
「本当は違うのをかぶるんですか?」と聞いてみたら「うん、患者さんはピンクのやつなの。今日は特別ね」と言われた。
手術室手前のスタッフ専用の手洗い場?付近だったようで、手近にあったスタッフ用のをかぶせられた模様。
とりあえず素直に「わーい特別だー」と喜ぶ私。

手術室に入る。結構狭い。
踏み台を二段あがって手術台に腰掛け、パジャマの上着を脱ぐ。暖められたシーツで覆われ、手術台に横たわる。薄い水色の綺麗な天井が印象的。
右手には血圧計、左手の甲に点滴の針をぶっすり。わかってるけど痛い。
口と鼻をビニールっぽい材質の半球体のカバーで覆われる。無味無臭の気体が出てきている。
「口で深呼吸してください」と言われる。吸うのはいいけど、出てくる気体が無視できない程度に勢いがあるため、吐くのにちょっと難儀だなあと思う。
同時に点滴開始。「左手がしびれますよ」と言われ、点滴の針の先からびりびりっとした結構な痛みが肘のあたりまで広がっていく。
深呼吸2回までは覚えている。

「終わりましたよ」と言われて意識が戻る。眠い。
口の中が猛烈に苦くて「苦い~」と訴えたら、「挿管してキシロカイン使ったからね」と看護婦さんが口元にティッシュをあててくれる。吐き出したら苦くなくなったが、扁桃腺が腫れている時のような違和感は残る。
台の上で右に左に転がされ、上着を着せられる。その向こうで「10時58分から18分間です」と手術時間を読みあげる声が聞こえる。たったそれだけしか経ってないのに、えらく長いこと寝ていたような気がする。
手術室前で待っていた母ズ、R先生から「上手に切除できましたよ~現物は見せてあげられませんけど~」と説明を受けたらしい。
出っ張った中隔部分をちゅいーんと削っていく感じだからかな。
筋腫だとまるっと取り出して「これです」って見せられるみたいだけども。

ストレッチャーに移され、手術室から運び出される。看護師さんが母ズに「もう起きてますよ」と言っていたので、咄嗟にVサインで応える。
「どうだった?」と問われて何故か「PCがフリーズしてカルテの確認が出来なくてバタバタしてた」と答える私。どうやら寝ぼけていた模様。
部屋に戻り、ベッドに戻され、1時間ほどうとうと。

母ズに「12時過ぎたから昼ごはん食べてくるわ」と声をかけられたのはなんとなく覚えている。

13時半頃、はっきりと目が覚める。どこも痛くないが、ベッドが硬くて狭いのと点滴と導尿が気持ち悪くて「寝心地が悪いなあ…」ともぞもぞしていたら、「起きた~?」と看護師さん登場。体温36.2℃、血圧118/70。体を拭いて着替えさせてもらう。ここで初めて自分が下半身すっぽんぽんだということに気付く。枕元を見たら、パジャマの下とショーツ、血栓防止のストッキングが綺麗に畳んで置いてあった。手術台で意識を失ってから下を脱がされたということらしい。
「導尿の管を抜いてください」と訴えると、「じゃあトイレまで歩いていこうか。下着とパジャマ履いて」と言われる。そりゃあ下半身丸出しでうろうろするわけにはいかんのだろうが、にょろにょろ管が出てるのにパンツ履けって言われても…と困る。仕方が無いので「かろうじて腰にひっかかってます状態」で対応。
トイレに腰掛け、導尿の管を抜いてもらう。
力を抜いていたが、「いーてーてーてーてー!!」と鋭い痛みが5秒間ほど続き、超涙目。
麻酔で意識が無い状態だったから気付かなかったけど、管を入れる時に中が傷ついたらしい。
看護師さん曰く「いっぱいお水を飲んで、どんどん出して、自然に治るのを待つしか…」だそうだが、とにかく染みるんだよ痛いんだよこれが。
痛みが一点に集中してる分、痛みの質が鋭いんだよね。
結果から言うと、痛みを感じなくなるまで1日半かかった。その間は本気で尿意が憎かった…。

14時、母ズを相手にベッドの上で遅い昼食。17時間ぶりの飲食。冷えたお水がとても美味しい。ごはんは三分の一くらいでパス。おいしくない…。
生理痛のような重い痛みがお腹の底にくすぶっている感じはあるが、別に寝込むほどでもないし歩けるし、結構元気。
安心したらしい母ズ、「じゃあね~」と帰宅。ちなみに母ズは朝から5時間くらい一緒にいたくせに、この後駅前の喫茶店に移動して1時間喋ってから別れたそうな。
入れ替わりにR先生登場、私の様子を見て「大丈夫ね~」と一瞬で帰っていく。忙しそうだ。

16時、点滴終了。逆流した血が管の中に残っていて、管を外した途端ぶしゅっと布団の上に血しぶきが飛ぶ(笑)
本格的に身軽になったので、トイレへ。痛い。

17時、病室を出て電話OKスペースに移動、仕事が忙しくて休みが取れなかったダンナに電話で報告。「無事終わって良かった」と安心した様子。

18時、R先生に処置室へ呼ばれる。何かと思ったら「ガーゼ抜きます」だって。入ってたのね。
抜かれる時に中くらいの痛みが2秒ほどあったが、排尿時の尿道の痛みに比べれば何ということもないわ、と思う。

「この後何もなければ明日退院していいです。シャワーは明日から、お風呂につかるのは2週間後から。来月もう1回子宮鏡検査して、大丈夫なら妊娠は生理2回来てからOK」だそうな。

R先生にお礼を言って部屋に戻ると、もう夕食が届いていた。
おかずはおいしくなかったけど全部食べた。ヤクルトを久しぶりに飲んだ。

18時半、トイレ。痛いーー。
出血を初めて確認、大変びびる。
でも『中を切ったんだから出血して当たり前だし、ガーゼを抜けばそりゃあ血は出てくるようになるわな』と一瞬で納得。びびり損。

19時、看護師さんが来る。体温36.6℃、血圧119/80。
抗生物質のパンスポリンに加え、術後の出血を抑える「リカバリン」というカプセル剤を処方される。きっとこいつらが尿道の傷をもケアしてくれるに違いない、と祈るような気持ちで服薬。

21時、トイレ。痛いよーーーーーー。

21時半、消灯。

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